土井敏邦(ドキュメンタリスト)

とにかく“打ちのめされた”。このドキュメンタリーを制作した監督が日本人ではなく、外国人だったことも私の衝撃をいっそう大きくした。「なぜこんな自国の重大なテーマを私たち日本人ドキュメンタリスト自身が向き合い、きちんと映像化できなかったのか」という恥ずかしさと悔しさである。2021年山形国際ドキュメンタリー映画祭で私が観たなかで、最高の作品である。