松井保憲(START~外国人労働者・難民と共に歩む会)

映画『牛久』は、茨城県牛久市にある「東日本入国管理センター」に収容されている難民申請者の外国人を通じて、法務省・入管庁の管理、監督下にある入管施設における民族差別、人権侵害の実態を赤裸々に告発している。2021年3月6日、DV被害からの救済を求めて自ら出頭し、名古屋入管に収容されていたスリランカ人女性が「詐病」扱いされ病死した。日本に救済を求める外国人を虐待する入管行政、それを許している日本社会に真の民主主義はない。映画『牛久』は、被収容者の吶喊をもって、鋭く日本社会を切開した傑作である。