高橋清貴(恵泉女学園大学教授)

隠し撮りと、収容された外国人たちが受けた数々の人権侵害の告白という緊張感の連続の中で、ようやく「仮放免」が認められ、迎えに来た家族と抱き合うシーンが表れる。観ている私たちも、思わずフーッと息を吐き、肩の力が抜ける。自由と人権の大切さを、身体で覚える。無関心と差別が蔓延る日本に、素晴らしい「知る権利」の教材をつくってくれた監督に感謝したい。